2012年11月10日土曜日

東京の秋

秋が深まってそろそろ東京の都市部でも紅葉が少しずつ見られるようになってきた。
そんな中で秋を探しに出かけてみた。

いつも行く公園をいくつか回ってみて秋を探してみよう。

一つ目の公園は家からも近い少し高台にある、雑木林的な一角を整備した公園。
自転車を置いて南東斜面の階段を上ると、木々の足元に小さな草花だけど棘のようなものに守られた小さな白い花が咲いている。
なんという花なのだろう?



その周りにはシロツメクサが生えていて今でも数輪花を咲かせている。
葉の上には小さな虫が何種類もいる。その一つ、ヨコバイの仲間だと思うけど、種類が分からない。


この虫は何だろう?
シロツメクサの葉の上でこの大きさだからとても小さい。数mmの本当に小さな虫だ。
たまたま、先のヨコバイを見つけたらその近くにいたので気がついた。



今まで翅が無いように見えていたけど一瞬のうちに翅が生えてきた???
そんなわけはないよなぁ~?



一番多くいたのはハエ。
2~3mmの小さなハエ。ちょうど飛び立つところを捉えた。


止まっているとこんな姿。



こちらもハエだけど、金属のような光沢をもった体のキンバエ。
顔といい、体といい、戦闘機とそのパイロットを一体化させたみたい。




お次は、湾岸の公園で秋を求めてみた。
最初に見つけた虫はツマグロオオヨコバイ。2匹連なって葉の裏にいた。

ツマグロオオヨコバイ Bothrogonia ferruginea

お食事中失礼します。
葉っぱに口を刺して汁を吸っているのだろう。

ツマグロオオヨコバイ Bothrogonia ferruginea

ツマグロオヨコバイの写真を撮ろうとしたら、その名の通り横ばいで葉の裏に隠れてしまったので葉の裏に回って再びカメラを構えたらそこには別なお客さんがいた。
ツマグロオオヨコバイの目の前にいるのはハネナガウンカの仲間かな?




ツマグロオヨコバイはあちこちにいた。
ミカンの葉っぱには各葉っぱに一匹ずつ止まっている感じだった。

ツマグロオオヨコバイ Bothrogonia ferruginea
 
こんなに秋は深まって来ても樹液が出るところには虫が来ている。
シロテンハナムグリはこの樹液が好きなのかな?
この木に来るといつも見かける。この秋はいつまでいるのかな?

シロテンハナムグリ Protaetia orientaris

赤とんぼがぽつんと枯れ草の先に止まっていた。
ナツアカネのメスかな?

ナツアカネ Sympetrum darwinianum

顔をアップで捉えてみた。トンボの目をアップで見ると網目のように細かい模様が見える。そして化をに比して大きな口、この口でハンターになるんだよね。

ナツアカネ Sympetrum darwinianum

セミの抜け殻が枯れかけた葉っぱにしがみついていた。



セミの抜け殻~目をあげて前を見るとシラサギが来ていた。
どうやら餌を探しているらしい。
チュウサギなのかダイサギなのかよくわからない。
時々、地面をくちばしでつついているのは何か虫を捉えているのだろうか?




だんだん日が傾いてきたころに秋らしい景色を見つけた。
真っ赤に紅葉した木もあった。
桜は落ち葉もきれいだな。








ファインダーをのぞいていたらちょうど空を飛行機雲を引いて飛行機が飛んで行った。



東京の都会でもこんな景色があるんだな。
本当に秋が深まったなぁ。

2012年11月4日日曜日

秋深まる多摩川河川敷

今日は天気が良く少し暖かいので虫も活動しているだろうか?
多摩川の河川敷を歩いてみた。
ハマダイコンにナガメ発見。

ナガメ Eurydema rugosa
翅を傷めている個体も多かった。

ナガメ Eurydema rugosa 

ナガメ Eurydema rugosa

カメムシの仲間ではヒゲナガカメムシもいた。
でもわずか2週間ほど前までは沢山の種類のカメムシたちを見かけたが、今日見つけたのはナガメとこのヒゲナガカメムシだけだった。

ヒゲナガカメムシ Pachygrontha antennata

花でよく見かけたのはこの白い花。
あちこちに咲いていて「ソバ」みたいだなと思って後から調べたらシュッコンソバに似ているけどちょっと違うように思える。



虫食いだらけの葉っぱにくっついていたのはちょっと変わった姿をした虫だ。
何だろう?




川を覗いてみたら小さな稚魚がたくさん泳いでいた。
何の魚だろう。



河原には川面から秋の陽光の反射を受けてススキの穂が風に揺られていた。




ススキなどの背の高い植物に囲まれてわずかな隙間から差し込む陽に照らされてヒメジョオンが咲いていた。

ヒメジョオン Erigeron annuus

ヒメジョオン Erigeron annuus

草の隙間から顔をのぞかせていたのはエンマコオロギ。
ここ最近よく見かけるようになった。
名前の由来は、いかつく見える顔から来ているらしい。

エンマコオロギ Teleogryllus emma

だいぶ西に傾いて柔らかくなった陽射しをあびて白いコスモスが咲いていた。

コスモス Cosmos

同じく斜陽を受けて枯れかけたサルビアの先にヤマトシジミが止まっていた。

ヤマトシジミ Pseudozizeeria maha

ヤマトシジミがいた近くの足元をみたらテントウムシが葉っぱの上でじっとしていた。



カナムグラは良く見かける草だけどこんな花をつけるんだ?
これは雌花らしい。

カナムグラ Humulus japonicus

西日を浴びた河原のコンクリートにヒメアカタテハが翅を休めていた。

ヒメアカタテハ Vanessa cardui

土手のオシロイバナにはモンシロチョウが止まって翅を広げていた。

モンシロチョウ Pieris rapae

3時半になったらもう陽がだいぶ傾いてしまった。秋の深まりを感じる。

2012年10月27日土曜日

ジャコウアゲハの蛹を探しに

夏の間にウマノスズクサが生えているところでジャコウアゲハを見かけ、幼虫が育っていることも確認したけれど、その後行く機会がなかった場所にふと思い立って出かけた。

さすがにこの時期はジャコウアゲハの成虫も幼虫もいない。
ウマノスズクサは健在だった。
その周囲を探してみると、近くの木の幹に蛹があった。
まるで細い針金で縛りつけられているみたいだ。
蛹の身に針金が食い込んでいる。
これだけ頑丈にくくりついていれば来年の春まで安心なのだろうか?

ジャコウアゲハ(蛹) Atrophaneura alcinous

ジャコウアゲハの蛹を見つけた近くのヤブガラシにはダンダラテントウがいた。
図鑑などをみるとアブラムシを捕食するらしいが、どう見てもここにはアブラムシは見当たらず花についているようにしか見えなかった。

ダンダラアテントウ Cheilomenes sexmaculatus

ヤブガラシを見ていたらゴミにしか見えないものがモソモソ動いている。
何だろうとよく見てみると結構立派な顎をもった虫のようだ。
それにしてもミノムシのように体にいろいろなものをくっつけたような珍妙な恰好をしている。



今日の目的はジャコウアゲハの蛹を見つけることだったので、あっさり目的達成してしまいこれからどうしようかと考えた末、別な公園に行ってみることにした。
10月も終わりになり、虫も少なくなってきた。でも春にはまたたくさんの虫が現れる。
それまでの間どんな姿で虫たちは過ごすのだろう。
秋の花や、この季節に活動している虫を探してみよう。

公園に着くと、まずは樹の葉の上にセスジツユムシを見つけた。

セスジツユムシ Ducetia japonica

樹液が出ているところには、まだハナムグリがいた。これはシロテンハナムグリかな。

シロテンハナムグリ Protaetia orientaris

日なたのセイタカアワダチソウなどの花にもハナムグリがいた。花に来ていたのはコアオハナムグリのようだ。

コアオハナムグリ Gametis jucunda

クズにはマルカメムシもいたが、この1匹しか見当たらなかった。

マルカメムシ Megacopta punctatissima

葉っぱの裏に潜んでいた白いクモはアズチグモだろうか?

アズチグモ Thomisus labefactus

エノコログサも枯れているものが多くなってきたが残っている穂先にヒゲナガカメムシがいた。

ヒゲナガカメムシ Pachygrontha antennata

モンシロチョウは翅がかなり傷んでいた。

モンシロチョウ Pieris rapae

秋が深まっても元気に飛び回っている一番はヤマトシジミだ。
でも、翅を休めている姿を見るとだいぶ翅が傷んでいる個体も多い。

ヤマトシジミ Pseudozizeeria maha

名前はわからないけれど薄紫の小さな花をつけた草を見つけた。
今までもきっと見かけていた花なのだろうけれどこうしてじっくり見つめるのは初めてだと思う。
小さな花だけどとてもかわいらしい花だ。



草花も近づいてよく見ると綺麗な花、可愛い花がたくさんある。
カメラを持って歩くようになって初めて気が付いた。



寒くなっても元気なのはハエたち。
嫌われ者のイメージが強いけど、近くでよく見るとなかなかかっこいい。



ハエは恋の季節でもあるようだ。
陽だまりの草の上で愛を確かめ合っていた。



セセリチョウもだんだん見かけなくなった。
葉の上で一頭のチャバネセセリを見つけた。

チャバネセセリ Pelopidas mathias

一時期はあちこちにあふれていたオンブバッタも数が少なくなった。
姿も枯草のように見えるのは気のせいか。

オンブバッタ Atractomorpha lata

1週間ごとに虫の数が減り、見かける種類も変わっている。
もう秋も終わりに近いのだな。