2012年10月27日土曜日

ジャコウアゲハの蛹を探しに

夏の間にウマノスズクサが生えているところでジャコウアゲハを見かけ、幼虫が育っていることも確認したけれど、その後行く機会がなかった場所にふと思い立って出かけた。

さすがにこの時期はジャコウアゲハの成虫も幼虫もいない。
ウマノスズクサは健在だった。
その周囲を探してみると、近くの木の幹に蛹があった。
まるで細い針金で縛りつけられているみたいだ。
蛹の身に針金が食い込んでいる。
これだけ頑丈にくくりついていれば来年の春まで安心なのだろうか?

ジャコウアゲハ(蛹) Atrophaneura alcinous

ジャコウアゲハの蛹を見つけた近くのヤブガラシにはダンダラテントウがいた。
図鑑などをみるとアブラムシを捕食するらしいが、どう見てもここにはアブラムシは見当たらず花についているようにしか見えなかった。

ダンダラアテントウ Cheilomenes sexmaculatus

ヤブガラシを見ていたらゴミにしか見えないものがモソモソ動いている。
何だろうとよく見てみると結構立派な顎をもった虫のようだ。
それにしてもミノムシのように体にいろいろなものをくっつけたような珍妙な恰好をしている。



今日の目的はジャコウアゲハの蛹を見つけることだったので、あっさり目的達成してしまいこれからどうしようかと考えた末、別な公園に行ってみることにした。
10月も終わりになり、虫も少なくなってきた。でも春にはまたたくさんの虫が現れる。
それまでの間どんな姿で虫たちは過ごすのだろう。
秋の花や、この季節に活動している虫を探してみよう。

公園に着くと、まずは樹の葉の上にセスジツユムシを見つけた。

セスジツユムシ Ducetia japonica

樹液が出ているところには、まだハナムグリがいた。これはシロテンハナムグリかな。

シロテンハナムグリ Protaetia orientaris

日なたのセイタカアワダチソウなどの花にもハナムグリがいた。花に来ていたのはコアオハナムグリのようだ。

コアオハナムグリ Gametis jucunda

クズにはマルカメムシもいたが、この1匹しか見当たらなかった。

マルカメムシ Megacopta punctatissima

葉っぱの裏に潜んでいた白いクモはアズチグモだろうか?

アズチグモ Thomisus labefactus

エノコログサも枯れているものが多くなってきたが残っている穂先にヒゲナガカメムシがいた。

ヒゲナガカメムシ Pachygrontha antennata

モンシロチョウは翅がかなり傷んでいた。

モンシロチョウ Pieris rapae

秋が深まっても元気に飛び回っている一番はヤマトシジミだ。
でも、翅を休めている姿を見るとだいぶ翅が傷んでいる個体も多い。

ヤマトシジミ Pseudozizeeria maha

名前はわからないけれど薄紫の小さな花をつけた草を見つけた。
今までもきっと見かけていた花なのだろうけれどこうしてじっくり見つめるのは初めてだと思う。
小さな花だけどとてもかわいらしい花だ。



草花も近づいてよく見ると綺麗な花、可愛い花がたくさんある。
カメラを持って歩くようになって初めて気が付いた。



寒くなっても元気なのはハエたち。
嫌われ者のイメージが強いけど、近くでよく見るとなかなかかっこいい。



ハエは恋の季節でもあるようだ。
陽だまりの草の上で愛を確かめ合っていた。



セセリチョウもだんだん見かけなくなった。
葉の上で一頭のチャバネセセリを見つけた。

チャバネセセリ Pelopidas mathias

一時期はあちこちにあふれていたオンブバッタも数が少なくなった。
姿も枯草のように見えるのは気のせいか。

オンブバッタ Atractomorpha lata

1週間ごとに虫の数が減り、見かける種類も変わっている。
もう秋も終わりに近いのだな。

2012年10月21日日曜日

秋の多摩川河川敷

1か月以上前に来て以来、久しぶりの多摩川だ。9月の上旬に来たときにブチヒゲカメムシが恋に燃えていた花壇に寄ってみた。
ブチヒゲカメムシの数は減っているけど1か月前と同じ同じサルビアに何匹もいた。

ブチヒゲカメムシ Dolycoris baccarum
花壇にはサルビアの他にコスモスも咲いていて、それぞれの花に色々な虫が集まっていた。

コスモス



ツユムシ Phaneroptera falcata



サルビアの枝にクモが巣を張って獲物を待っていた。
クモの巣の繊細な糸が秋の斜光に輝いていた。



自転車を置いてゆっくり歩くと、春にはあちこちで花を咲かせていたハマダイコンが新しい葉を伸ばし始めていた。
その葉の上に派手なデザインの、まるでお面のような模様をしたナガメがあちこちで見られた。
夏の間は見かけなかったが、彼らはどこでどうしていたのだろう?

ナガメ Eurydema rugosa

ナガメ Eurydema rugosa

そのハマダイコンにカマのような前脚をもった、ヒゲの長いヤツがいる。
アオヒゲトビゲラ。見た目のとおり、青くて(実際見るとかなり濃紺だが...)ヒゲの長いトビゲラということか。葉の上でじっとしていた。

アオヒゲナガトビケラ Mystacides azureus

オンブバッタもあちこちで見かけた。このカップルは交尾をしていたようだ。

オンブバッタ Atractomorpha lata

河川敷に咲いている花には多くの蝶が集まっていた。

モンシロチョウ Pieris rapae

ウラナミシジミ Lampides boeticus

ウラナミシジミ Lampides boeticus

キタテハ Polygonia c-aureum

キタテハ Polygonia c-aureum

モンキチョウ Eurema hecabe

ベニシジミ Lycaena phlaeas

ハマダイコンの葉っぱの上に止まってヤマトシジミが翅を広げて日を浴びていた。
ありふれた蝶ではあるけれど、広げた翅はとても美しい。

ヤマトシジミ Pseudozizeeria maha

ヤマトシジミ Pseudozizeeria maha

草の隙間に目をやるとエンマコオロギの姿があった。
こどもの頃に捕まえて家で飼ったことがあったけど、こんなに顔の模様の線が太かったかな?
もっと細い線だったような気がするけど...気のせいかな?

 エンマコウロギ Teleogryllus emma

 エンマコウロギ Teleogryllus emma

2012年10月8日月曜日

秋、花に集まる虫たち

家の中から窓越しに庭を見ていたら花壇の花にオオスカシバが来ているのが見えた。ボーっとして見ていたらいつまでも庭で吸蜜をしているので写真を撮ろうとカメラを取りに行って戻ってきてもまだ花から花に移り飛んでいた。
日日草とトレニアの花に移り飛びながらホバリング状態で吸蜜をしている。
スズメガの仲間はハチに擬態していると言うが、ハチというよりハチドリをさらに小さくした感じに思える。
ん?だからハチに似ているということか?

オオスカシバ Cephonodes hylas
連休も最終日のお昼前、奥さんが「今日はどうするの?」とたずねてきた。特に予定はなかったので「どこか出かけてみる?」と返すと、「いいわね!」ということで、どうしようかと思案した結果、たまには多摩川の向こう側に行ってみようかと思い「等々力緑地に行ってみようか?」と誘うと、「あ~、以前行ったことがあるよね!」「・・・?」息子とサッカー観戦には行ったけど奥さんとは行ったことないはず...
「もしかして、それって等々力渓谷じゃない?」
「あっ、そうかも?」
「等々力緑地は、川崎フロンターレのホームグランドがあるところで川崎側だよ。」
「じゃあ、行ったことない。」ということで、等々力緑地に行くことにした。
等々力緑地に到着して、池の周りを歩いて行くと花壇の近くにベンチがあったのでそこに座って一休みすることにした。
花壇の花に目をやるとそこには色々な虫たちが来ていた。
一生懸命飛び回っていたのは小さい蛾だった。
あっちにもこっちにもたくさん飛び回っていた。



バッタはマリーゴールドの枯れた花に止まっていた。



同じくマリーゴールドの花に吸蜜に来ていたのはチャバネセセリ。
夏の間はセセリチョウの仲間もいろいろいたが、最近とくに9月後半以降はイチモンジセセリしか見かけなくなったなと思っていたら、今日はイチモンジセセリがいなくてチャバネセセリとキマダラセセリしか見かけなかった。

チャバネセセリ Pelopidas mathias

チャバネセセリ Pelopidas mathias

キマダラセセリ Potanthus flavus

何だろう、この花は?
紫色の小さな花が可愛い。その花に来ていたのは鱗粉がだいぶ落ちてしまったヤマトシジミ。
ヤマトシジミは春の早い時期から秋の遅くなるまでいつでも見かける。
でも、翅を広げるととっても綺麗でありふれた蝶ではあるけれどとても美しく、大好きな蝶だ。

ヤマトシジミ Pseudozizeeria maha

再びマリーゴールドの花に目を移すとツマグロヒョウモンのオスが来ていいた。
ツマグロヒョウモンはこどもの頃には東京に住んでいて見かけたことはなかったと思う。
元々、温かい地域にいたチョウらしく、温暖化とともに北上したと言われているようだ。
もう一つの要素に食草になるスミレ科の中でもパンジーやビオラを好むらしく、多くの家庭の庭やプランター、公園などに植えられているため、都市部でも生息しやすいことが生息域拡大に寄与しているらしい。

ツマグロヒョウモン(♂) Argyreus hyperbius

このツマグロヒョウモン、あまりにも長い間同じ花に止まっているので、そんなにいつまでも吸うほど蜜があるのかなと不思議に思い観察していると、蜜を吸っていたかと思うとしばらくの間、口吻を丸めてじっとしている。

ツマグロヒョウモン(♂) Argyreus hyperbius

ツマグロヒョウモン(♂) Argyreus hyperbius

ちっとも逃げようとしないので正面から近づいてみた。うぉ~、おいしそうに蜜を吸ってる。

ツマグロヒョウモン(♂) Argyreus hyperbius

花壇のロープに止まってじっとしているトンボがいた。
たぶん、コノシメトンボではないかな?

コノシメトンボ Sympetrum baccha

この後、多摩川をサイクリングしながら少し遠回りをして家に帰った。
途中で自転車の調子が悪くチェーンが外れてしまったりしたので、家に帰ったら手入れをしよう。
家に着いて玄関先で自転車の手入れをしていたら、耳の横をかすめて虫がブ~ンと飛んできた。目の前のブロック塀の上に着地したと思ってみてみたら、あれっ?ひっくり返ってる。
ちょっと、ドジなやつ。
そのドジなやつの正体を確かめてやろうとよく見たら、どうもクサギカメムシらしい。
死んだふりでもしているのか、ずっと見ていても動く様子がない。まさか着地に失敗して頭を打って気絶しているわけでもあるまい。
ちょっと手を貸して起き上がらせてやった。
そうするとちゃんと自分の足で立ち上がったので、死んでいるわけでも、気絶しているわけでもないらしい。
しかし、その後もじっとしている。自転車の手入れをしている間しばらく気にかけて見ていたが、全く動こうとはしなかった。
自転車の手入れを終えて、このドジなカメムシの写真を撮っておこうと思い立ち、カメラを撮って戻ってきてもそのままだった。

クサギカメムシ Halyomorpha halys

それなら、ドジなひっくり返ったままの姿も撮っておくんだったな。
動かずにいるのは、着地失敗がよほどショックだったのかな?