2013年12月8日日曜日

晩秋の虫たち

もう12月も半ばに近く、晩秋というより初冬といってもいいくらいです。
陽射しがあるので日なたでは温もりを感じるもののやっぱり空気は冷たいです。
木々もすっかり紅葉し、東京でもすでに盛りが過ぎて落葉し始めています。




ススキの穂が陽の光を受けて輝いていました。



モミジの葉はだいぶ枯れ落ちていました。



山茶花の花は今を盛りに咲いています。

サザンカ Camellia sasanqua

ここは東京の小平市にある小平霊園です。
中には雑木林などもあり、自然がたっぷりです。
雑木林の林縁にある陽だまりには虫たちが活動していました。

12月なのにチョウが飛んでいます。
落ち葉にとまったところに近づいてみると、どうやらウラナミシジミのようです。

ウラナミシジミ Lampides boeticus

翅を広げたところを見るとすっかり鱗粉が失われ、半分透けたような色になっています。

ウラナミシジミ Lampides boeticus

雑木林の中に入ってみるとカブトムシの幼虫がいました。
同じ場所に3匹固まっていました。

カブトムシ(幼虫) Trypoxylus dichotomus

雑木林の中にはクモや蛾もいました。




雑木林を出て再び林縁の陽だまりを歩くと赤とんぼがいました。
アキアカネでしょうか?

アキアカネ Sympetrum frequens

先ほど見かけたウラナミシジミよりも一回り小さい蝶が飛んでいます。
ヤマトシジミのようです。

ヤマトシジミ Pseudozizeeria maha

このヤマトシジミも先ほどのウラナミシジミほどではないけれどだいぶ鱗粉が落ちています。
でもかろうじて広げた翅に青い色が残っています。

ヤマトシジミ Pseudozizeeria maha

ハチも陽の光を浴びた葉の上で日光浴をしているかのようでした。


少し陽が傾いてきただけでヒンヤリしてきました。
もう冬ですね。


2013年6月2日日曜日

ねじれた夫婦関係?

多摩川を散歩していたら虫たちが恋の花を咲かせていました。

河川敷のどこにでも見られるハマダイコンにはナガメがたくさんいます。
すでに世代交代で成虫より幼虫の数の方が多く見られます。

そんな中、十字型に交わっているナガメの夫婦が...
これってねじれた夫婦関係???

ナガメ Eurydema rugosa

ヒメナガカメムシはV字型に交わっていました。
とっても窮屈そうに見えてしまうけど...
ヒメナガカメムシは頭を反対方向に向けて一直線に交わっている場合もあるけれど、ここまでVになっていなくても、への字型になっていることが多いような気がします。

ヒメナガカメムシ Nysius plebeius
 V字型で交尾するのってカメムシの仲間以外にもいるのかな?
セミでも見たことあるけどカメムシの仲間だし、ほかには見たことない気がします。

2013年5月18日土曜日

お姫様ダッコ

多摩川の河川敷を散歩しながら虫さがしをしていました。
足元を見ているとヒラタアブ?が飛んでいます。
でもなんだか飛んでいる様子に違和感があります。
カメラを向けてみると...


写真の左隅に飛んでいる姿が写っています。

よ~く見ると、体の下に何かあります。
どうやらしっかりメスを抱えて交尾をしながら飛んでいるようです。
この後、いったん草の上に止まったものの、すぐにまた同じ姿で飛び去ってしまいました。

2013年5月12日日曜日

美しい蝶たち

夕刻に東京湾岸にある公園に行ってみた。

ヤマトシジミがハルジオンの花で蜜を吸っていた。


ヤマトシジミ Pseudozizeeria maha

美しい姿をした蝶はたくさんいるけれど、どこにいても身近にみられる美しい蝶として、ヤマトシジミは都会でもよく見かける、小型な蝶の中での代表格だと思う。

一方、大きな蝶の中で美しい蝶のひとつとしてジャコウアゲハがいる。

ジャコウアゲハ Atrophaneura alcinous
この日は花の蜜を吸いながら優雅にあちこちを飛び回っていた。

ジャコウアゲハは色合いや形の美しさもあるが、飛んでいる姿が他のアゲハ蝶と違いとてもゆっくり優雅にふわふわと飛んでいる感じでその飛び方も美しくく感じる。
この飛び方は体内に蓄えているアリストロキア酸のため外敵に捕食されることがないためらしい。
幼虫時代の食草である、ウマノスズクサ類に含まれ、成虫になっても一生涯その毒素が体内に残るらしい。

2013年5月6日月曜日

公園は恋のパラダイス

3週間ぶりに東京湾岸の公園に行きました。
行ってみるとそこは虫たちの恋のパラダイスでした。
カメムシ、ゾウムシ、ジョウカイボン、ハナムグリ、イトトンボなど、みんな恋の真っ盛りでした。
ハナムグリはハルジオン、ニセアカシアなど、ありとあらゆる花にいましたが交尾をしているカップルも多くいます。交尾をしていても下にいるメスのほとんどは食事をやめる様子はありません。
この食欲が子孫を維持するための源なのでしょうか?
ハナムグリ Cetonia pilifera

ハルジオンにはゾウムシのカップルもいました。


蔓がだいぶ伸びた葛にも虫たちが沢山います。
まるで青銅のミニチュアのような姿をしているのはコフキゾウムシです。葛の葉や茎の上で交尾をしているカップルをよく見かけます。
コフキゾウムシ Eugnathus distinctus

ゾウムシと葛の組み合わせではオジロアシナガゾウムシも常連です
ちょっと見ると葛に鳥のフンが落ちているのかと見間違えてしまいます。
このオジロアシナガゾウムシのカップルもいました。
オジロアシナガゾウムシ Sternuchopsis trifidus

葛と言えばマルカメムシも常連です。マルカメムシは葛の蔓に群れていることが多いのでよく見ないとただ群れているのか交尾しているのか判りません。
でもよく見ると交尾しているカップルも多くいました。
マルカメムシ Megacopta punctatissima

マルカメムシは葛の周囲にある草の上にいることはよくありますが、今日はムラサキツメクサに群がっているところがありました。ムラサキツメクサもマメ科植物だから何の不思議もないのだろうけれどムラサキツメクサは数あれどマルカメムシが群がっているのは1箇所だけで他は全くいませんでした。

マルカメムシ Megacopta punctatissima
 
マルカメムシ Megacopta punctatissima

ホシハラビロヘリカメムシも葛で時々見かけます。
交尾しているカップルも一組いました。
ホシハラビロヘリカメムシ Homoeocerus unipunctatus

セボシジョウカイはあちこちの木の葉裏にいました。
このカップルは見つけた時には交尾をしていた様子でしたが風で揺られたせいか、この時は相手にしつこくしがみついていますが、交尾の体勢からは離れてしまいました。このあと1分ほどこのような体勢を続けていましたが再び交尾することなく離れてしまいました。
セボシジョウカイ Athemus vitellinus

昼も過ぎたのでそろそろ帰ろうかと歩いていると目の前を何かが風に煽られたように飛んで行きます。
何かなと飛んでいった先を探してみると交尾をしているイトトンボのようです。
ゆっくりと近づいてみました。
アジアイトトンボのようです。

アジアイトトンボ Ischnura asiatica

オスは青く、メスは薄い紅色をしています。
このあとずっと草に止まって交尾を続けていました。

アジアイトトンボ Ischnura asiatica

恋人のお邪魔をし続けるのも野暮なのでほどほどで帰ることにしました。

2013年5月5日日曜日

カメムシ多様性の多摩川(その3)

先日から多摩川でカメムシを多く見かめるので、今年に入ってから多摩川の河川敷で見つけたカメムシの種類を記録してみようと思います。

今日も1種類見つけました。
今日新しく見つけたのはヤニサシガメです。
松の木近くのハマダイコンについていました。
ヤニサシガメ Velinus nodipes

普段は松の木の上にいるのが今日はたまたま草の上に降りてきたのでしょうか?
まるで松ヤニを体に塗ったかのようにベトついたギラギラ感があります。

ヤニサシガメ Velinus nodipes

写真にはありませんが、この時は花に口を刺していましたので蜜でも吸っていたのでしょうか?
5分ほどして同じ場所を通った時にはもういなくなっていました。
カメムシは他にいつも見るナガメやウズラカメムシ、ホソハリカメムシなどがいました

今年初めて出逢った蝶

今日はこどもの日。朝から快晴です。暑すぎず散歩するにはちょうど良い気候です。
今日は家から歩いてせせらぎ公園に行きました。

せせらぎ公園はその名の通り小さなせせらぎがあり、雑木林の趣のエリアや草地の開けたところ、サッカーなどボール遊びができるエリアなどがあります。
公園に入って草地のまわりを歩いていると頭上をスイッースイッーと飛んでいくチョウがいます。この飛び方は、やっぱりコミスジです。
コミスジ Neptis sappho

時々、樹の上に止まっては飛び止まっては飛びを繰り返していました。
コミスジには今年初めて出会いました。

この公園では他にツマグロヒョウモンのオスにも会いました。
草地の上を飛び回ってあと草の上に止まっていましたが暫くするとどこかに飛んでいってしまいました。
ツマグロヒョウモン Argyreus hyperbius

この写真はこのあと多摩川の河川敷で撮ったものです。

2013年4月28日日曜日

カメムシ多様性の多摩川(その2)

昨日に続き多摩川を散歩します。
昨日よりちょっとだけ下流の河川敷です。

ハルジオンやハマダイコンが咲いている草むらの中を探してみたら、カメムシを見つけました。
ホソヘリカメムシです。1匹だけ草の上でじっとしていました。

ホソヘリカメムシ Riptortus clavatus
 
ホソヘリカメムシ Riptortus clavatus

少し上流に向かって歩くと葛がだいぶ蔓を伸ばしています。
きっとマルカメムシがいるのではないかな?と思い探してみると、やっぱりいました。
マルカメムシは葛が生えているところには必ずと言って良いほどの確率でいます。

マルカメムシ Megacopta punctatissima

さらに歩くとブチヒゲカメムシに出会いました。
ブチヒゲカメムシ Dolycoris baccarum

何匹かいたのですが1匹だけやたら毛深いのがいます。
頭の辺りが毛でびっしり被われています。
ブチヒゲカメムシ Dolycoris baccarum

昨日は見つけられなかった種類としては、もう1種類だけ見つけました。
アカヒメヘリカメムシです。
アカヒメヘリカメムシ Rhopalus macuratus

最初に見つけたのは飛んでいる姿でした。
飛んでいる時はカメムシかどうかもわかりませんでしたが、止まるまでじっと目で追って草の上に降り立ったところで確認しました。
赤というより茶に近い色で薄いオレンジ色にも見えます。
ひとところに落ち着かず、すぐに飛び回っていましたが、何匹か見かけました。
アカヒメヘリカメムシ Rhopalus macuratus

この他、昨日も見かけた種類では、
ナガメ
ホソハリカメムシ
ヒメジュウジナガカメムシ
ウズラカメムシ
を見かけました。
歩きながら草の上にいるのを探しただけでもこれだけ見かけました
もっと時間をかけて一生懸命探したらどれだけの種類のカメムシに出会うのだろう?

2013年4月27日土曜日

カメムシ多様性の多摩川

今日は暖かそうなので午前中に多摩川まで行って散歩しました。
ちょっと歩くといろいろなカメムシに出会いました。

まずはナガメです。
最近は河川敷にハマダイコンが広がってナガメはいたるところにいます。
あちこちで交尾している姿も見かけます。

ナガメ Eurydema rugosa
次に出会ったのはホソハリカメムシでした。
こちらもとてもよく見かけました。

ホソハリカメムシ Cletus punctiger

イネ科の草で多く見かけましたが、草地のハルジオンにも数匹いました。

ホソハリカメムシ Cletus punctiger

イネ科の草が多くホソヘリカメムシがたくさんいた所にホオズキカメムシもいました。
この1匹だけで他には見かけませんでした。

ホオズキカメムシ Acanthocoris sordidus

ガガイモに集まるというヒメジュウジナガカメムシは1か所のイネ科の草にたくさんいました。
もしかするとこの1か所にしかいなかったので近くにガガイモがあったのかもしれません。

ヒメジュウジナガカメムシ Tropidothorax belogolowi

翅を広げて飛び立とうとしていました。

ヒメジュウジナガカメムシ Tropidothorax belogolowi

ウズラカメムシは草むらを人が踏み倒して入っていったと思われる踏み倒されたイネ科の草に群がっていました。

ウズラカメムシ Aelia fieberi

ウズラカメムシ Aelia fieberi

桜の幹にヨコヅナサシガメが群がっていました。

ヨコヅナサシガメ(集団) Agriosphodrus dohrni

あちこちで次々に脱皮していました。
白黒の衣装を脱ぐと赤い毒々しい色をしています。
ヨコヅナサシガメ(羽化) Agriosphodrus dohrni

羽化したては赤い色をしていますが時間が経つと再び白黒の模様になります。
下の写真で右上にある黒っぽいのが脱皮した抜殻です。

ヨコヅナサシガメ(羽化直後) Agriosphodrus dohrni

こちらは脱皮前の幼虫です。

コヅナサシガメ(幼虫) Agriosphodrus dohrni

草地のハルジオンでは先ほどのホソヘリカメムシもいましたが、一番多かったのはヒメナガカメムシでした。
とても小さなカメムシです。

ヒメナガカメムシ Nysius plebeius

少しの時間の間に7種類のカメムシに出会いました。
多摩川にはこの他にもたくさんの種類のカメムシがいます。