2012年7月14日土曜日

林縁にいた虫たち

雑木林の周りに明るい草地があった。そこで見かけた虫たち。
ここは厳密には雑木林の出口(入口)なので林縁というよりは林の中。

枝に止まっている虫を見つけた。
アワフキの仲間のように思えるのだけれど...
自信はないけど、コガシラアワフキだろうか?












キタテハ Polygonia c-aureum




林から出た笹が茂ったところでは笹の葉にキタテハが止まって翅を広げていた。

翅を広げたままじっとしていた。

コミスジ Neptis sappho


その横にあるクヌギの若木にはコミスジが飛んできた。

何とかして近くで撮ろうと思ったけれど、何度飛んでも必ず高いところの葉に止まってしまう。


ヒカゲチョウ Lethe sicelis



林の中から出たり入ったり、ヒカゲチョウが飛び回っている。

葉の上に止まってひと休止しているところを撮ってみた。


シロテンアカマダラヒメハマキ(?) Gatesclarkeana idia


笹の葉の上にいたこれはなんだろう?

正体が全く判らない。


頭(?、写真では下)のほうが少し青っぽいけど何の仲間なのか???

図書館で図鑑を見ていてとっても似ているのを見つけた。
シロテンアカマダラヒメハマキではないだろうか?



アオバハゴロモ(幼虫) Geisha distinctissima
歩いていたら、足元に何か白いものがピョコタン、ピョコタンとついてくる。
いったいなんだろう?

綿毛が飛んできたにしては規則的な動き方が不自然だ。
立ち止まってよく見ると、明らかに自分の意志で跳ねている。
アオバハゴロモの幼虫だろうか?





花の咲いているところでは花に集まる虫たちもいた。
ハムシの一種だろうか?
ムラサキツメクサなど、あちこちの花や枝に同種と思われる虫がいた。


マメコガネ Popillia japonica
ムラサキツメクサの花にはマメコガネも来ていた。

小さくてかわいらしいけど、マメ科の作物などを食いあらす害虫なんだよね。

アメリカにも侵入してJapanese Beetleと呼ばれ害虫として悪名が高いそうだ。







カマキリ(まだ幼虫でしょうか)が葉の上でじっとしていた。

何か獲物を狙っていたのかな?




山椒のまだ小さい木の葉上にはアゲハチョウの卵がチョコンと乗っかっていた。






近くの枝には幼虫も。
3齢幼虫でしょうか?
鳥の糞に擬態しているというが、遠くから見ると本当に鳥の糞そのもの。

樹液に集まる虫たち、バットマンもやってきた!

朝から晴れて今日は天気が良いのかなと思ったら急に雨が降ったり、昼までは少し不安定な天気だった。午後からはようやく落ち着き晴れてきたのは良いけれどとても蒸し暑くなってしまった。
母の通院に付き添うために来た病院の待ち時間を使って、近くの雑木林に行ってみた。

カナブン Pseudotorynorhina japonica
クヌギやコナラがおいしそうな樹液をたっぷり出していた。


そこには当然のようにカナブンがいた。

ハエがたかってくるのもお構いなしに樹液を味わっていた。



モリチャバネゴキブリ Blattella nipponica






そして、家の中では大の嫌われ者チャバネゴキブリ。
だけどここにいるのはモリチャバネゴキブリで、樹液を吸うけどけして家の中に入り込むことはないらしい。
この姿を素直に見るとけして気持ち悪い姿はしていないんだけど…
そう思うのは私だけ?

ヒカゲチョウ Lethe sicelis





ヒカゲチョウも樹液を吸いに来ていました。


ヒカゲチョウをいろいろな角度から撮っていたら、んん~ん?

こんなところにバットマンいた!

写真の真ん中下のところに。

背中にバットマンマークを4つも背負っている。

ヨツボシケシキスイ Librodor japonicus






ヨツボシケシキスイ Librodor japonicus

ヨツボシケシキスイだ。

顔をよく見るとクワガタのメスのような顎を持っている。

それにしても意図して描いたとしか思えない「バットマンマーク」だ。











ゴキブリほどではないけれど蝶に比べると嫌われ者の部類に入ってしまう蛾たち。
彼らは樹液を吸っていたわけではないけれど樹皮に止まっていた。
むしろ、樹皮に同化して隠れることが目的なのだろうか?





木の枝にはシロテンハナムグリも集まっていた。

ハナムグリとはいうものの花より樹液がお好みらしい。



アカボシゴマダラ Hestina assimilis


そして、最後に見つけたのはアカボシゴマダラ。
今年5月に別なところで見つけた時は赤いホシが白化してほとんどない状態の春型だったが今回ははっきりアカボシが確認できた。

姿は美しいし、飛んでいる様子も優雅なのだけれど、大陸から持ち込まれ人為的に放たれたことによる繁殖、定着だと聞くと写真を撮っていても複雑な気持ちになる。


2012年7月7日土曜日

ヤブジラミに集まる虫たち

府中にある競艇場の近くの多摩川河川敷に行って虫さがしをした。
河川敷にヤブジラミが花を咲かせていた。
そこにはいろいろな虫たちが集まっていた。



アブ? ハエ?








お尻にも顔のような模様が...

ショウリョウバッタ Acrida chinerea





足元にバッタが...
ショウリョウバッタの幼虫









ヤブジラミにはカメムシもたくさんいました。
ほとんどはハナダカカメムシだった。
あちこちで交尾をしている姿が見られた。
地味な色、模様のカメムシだ。


ハナダカカメムシ Dybowskyia reticulata




ハナダカカメムシはヤブジラミの実を吸っているようで交尾している以外にもいたるところに群がっていた。





一方、こちらはド派手なカメムシ、アカスジカメムシだ。
何のためにこんな色彩の衣装をまとっているのだろう?
外敵に自分はここにいますよと知らせているようにしか思えない。




ヒメウラナミジャノメ Ypthima argus

その他の虫にも出会えた。



河川敷の林になっているあたりではヒメウラナミジャノメに出会った。
何頭も草に止まっているのが見えた。
色自体は地味なんだけど、目玉模様が何ともかわいらしい。


ルリマルノミハムシ Nonarthra cyaneum


ヘラオオバコの花にはハムシらしい虫がいた。
金属のように輝いた羽が花粉まみれになっていた。
ルリマルノミハムシだろうか?
ハムシなのかさえはっきり判らないが花にいたことや姿かたちを図鑑などで見る限りルリマルノミハムシに似ている気がするのだけれど自信がない。

林道沿いの虫たち

JR武蔵五日市駅より秋川を上流に向かい、途中から支流の盆堀川沿いの林道に入った。
この日は朝から雨が降ったりやんだり。林道に来てからはずっと霧雨のような雨が降って時折少し強くなったりしていた。

ヤマホタルブクロ
Campanula punctata var. hondoensis
林道沿いの一か所にヤマホタルブクロが群生していた。
霧雨の中、蜂がホタルブクロの中に入って蜜を集めまわっているようだ。


ヤマホタルブクロ
 Campanula punctata var. hondoensis






他の花には緑一色のクモがいた。
ん~、でもよく見ると6本脚のように見える。
クモは8本脚だと信じていたが...
中には脚を失ったクモもいるからそういうことなのか?
まさかクモに擬態した虫?
でも目の様子、姿かたちどこをとってもクモにしか見えない。

ハナグモ Misumenops tricuspidatus





こっちのクモはハナグモだろうか?
クモの巣を張らず、このように草木の葉っぱや花にいて、そこに来た虫を捕えて生活しているそうです。




 雨の中、一番元気に見えたのは苔だった。
とても青々として、生き生きしているように思えた。










霧雨に当たりながらバッタが葉先に止まって食事をしていた。
しっかりと前足を絡ませて「絶対離れないぞ」としがみついているかのようだった。

雨に濡れるヤマアジサイと蝸牛

息子と八王子に行ったついでに多摩川支流の秋川沿いを上流に向かい、さらに支流沿いの林道を入っていった。
途中で渓流に下りられる場所があったので寄ってみることにした。

ヤマアジサイ Hydrangea serrata Seringe








川沿いに下りてみるとヤマアジサイが白い花を咲かせていた。






よく見るとその葉の上に小さな蝸牛があちこちにいた。
日本にいる蝸牛は800種もあるとか。
経験的に大きなのと小さなの普通に見かけるやや扁平なもの、細くとんがっているのくらいの分類はしていましたが800種類もいると聞いて驚きです。



子供のころには小さいのは子供でみんな大きくなって大人になるものだと思っていたものだ。
そんなんかからこの種類を特定するのは私には無理?
いくらでも図鑑などで調べてみてもわからない。しかも手元にある図鑑は20種類程度しか載っていないのでこの中に記載がない可能性も大だ。
そのようなわけで、もうお手上げ。



足元に目を移すと苔がびっしり生えていて、緑が鮮やかだった。




その中にちょっと変わったものを見つけた。
白いカビが生えたようなものがにょきにょき生えている。
これは植物? それともきのこか何か?
苔に寄生しているようにも見える。
生えている根元の周辺の苔もこの謎の生物(?)から落ちた粉のようなものなのか白くなっている。





葉の上や木の枝にクモが彼方此方にあった。
葉っぱの上にもクモが歩いていた。
クモの種類も調べたけどわからない。

この河原で見るだけでも数種類以上がいるようだった。




















枝の間に張られたクモの巣は雨雫がついてとてもきれいに輝いていた。








河原にいた小さな虫たち

八王子に息子と出かけたときに多摩川の支流のひとつ「秋川」に行ってみた。
河原に出ると、アユ釣りをしている人もいた。
息子はそちらに興味があるみたいでそそくさと釣り人の方に行ってしまった。
河原の葦が茂っているあたりを歩いてみる。
今日は雨が降ったりやんだりを繰り返しているがどんな虫がいるだろう?

さっそく見つけました。子供のころは網を持って虫とりに興じたが、当然その対象は、蝶、バッタ、トンボ、カブトムシ、クワガタなど、ある程度の大きさがあるものばかりだった。
ところが、大人になって再開した昆虫採集(といっても「採る」のではなく「撮る」だけですが…)では大きな虫も良いけれど子供のころはその存在は知っていても虫とりの対象から外れていた小さな虫に興味が行くようになりました。
これもデジタルカメラのおかげです。
エゾナガウンカ Stenocranus matsumurai


その小さな虫はエゾナガウンカでしょうか?
葦の葉っぱやその周辺の草の上にあちこちたくさんいました。

5㎜にも満たないような小さな体です。
よく見ると眼の下あたりからツンと突き出た触角(?)が特徴的です。


エゾナガウンカ Stenocranus matsumurai




こちらは葦の葉についた水滴の下を左右に行ったり来たりを何度となく繰り返していました。
いったいこの動きには何の意味があるのだろう?
タマガワヨシヨコバイ Paralimnus tamagawanus


こちらも葦が茂っている周辺の葉の上にいました。


タマガワヨシヨコバイのようです。
ミルクキャラメルのような羽色に翅脈が白くてとてもきれいです。
でも脚のとげがとても鋭くて痛そうに見えます。


タマガワヨシヨコバイ Paralimnus tamagawanus




顔を正面から見ると細く面長で、寄り目をした面白い顔をしています。
横から眺めていた時とガラッと印象が変わってしまいました。


セマダラコガネ Blitopertha orientalis
こんな小さな虫たちの周りにはセマダラコガネやヒメジャノメも見かけました。




セマダラコガネは葉と葉の間に雨宿りでもしているのか隠れるように身をひそめていました。


ヒメジャノメ Mycalesis gotama




こちらも葦の茂った中にこっそり隠れていました。少し離れたところから撮ったのですが、この後もう少し近づこうと葦をかき分けた途端に飛び立って見えなくなってしまいました。


そして雨の中でもアブの仲間やドロバチの仲間と思われる虫たちも活動していました。




アブの仲間ではないかと思うのですが、名前がわかりません。
オオカバフスジドロバチ Orancistrocerus drewseni










こちらはオオカバフスジドロバチではないかと思います。